COLUMN

[ NEW ] Women in Paris Vol.4
Asami Haraguchi(3/3)

原口さんのアクセサリー作りの原点には、古いものへの愛がある。「同じものがたくさんある既製品よりも、一つしかないもの、ヴィンテージに魅力を感じるのは、母の影響だと思います。壊れたものを修理するのも好きなんですよね。元には戻せないけれど、違う形にして使えるようにすることはできるじゃないですか」。蚤の市などで買い集めた古いパーツをずらっと並べて、どうやって組み合わせるか、材料ありきでアイデアを膨らませるというスタイルをベースに、時には街で見かけた素敵な人のスタイルがインスピレーションになって、昔買って持っていたパーツを引っ張りだして出来上がることも。また、好きだと思う古いものを見つけたら手に入れておいて、数年後に出番があることもしばしばなのだとか。

ヴィンテージ愛が伝わってくる、アパートの一角。

ヘアアレンジの仕事も継続している。インスタグラムへのダイレクトメッセージなどで依頼を受けて、結婚式やアーティストのポートレート撮影のヘアアレンジとメイクを手がける。「人と接するのが好きだから、家にずっとこもってアクセサリー作りだけをしていると煮詰まってしまうので、両方やってバランスをとっています。ヘアアレンジの仕事は目の前に対象がいて、その場で相手からのリアクションが得られるのがうれしい。アクセサリーはこういう人がつけてくれたらいいな、あの人に似合いそうだなと想像を膨らませながら作るのが楽しいんですよね」

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蚤の市にて。バッグは母親が使っていたポーチにチェーンをつけてリメイクしたもの。
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夫が料理人ということもあって、自宅には食器がたくさん!

現在、ブランドをスタートさせて5年あまり。「始めたばかりの頃は、シーズンごとにコンセプトやテーマがないとダメなんじゃないかと思って、無理してテーマを立ててみたりしたのですが、結局こじつけになってしまって。なんとなく、今年はこういう色が傾向としてあるな、とか、ムードは気にしますが、トレンドにはとらわれず、ひらめきや自分の気分でやっています」と、マイペースに、着実に、ブランドを成長させている。シンプルで気が利いていて、デイリーウェアをちょっとドレスアップしてくれる、そんなアクセサリーを作り続けていきたい、という原口さん。「コロナ禍でカフェやレストランが全部閉まってしまった時、改めてそういう場所へ出かける時間の大切さを痛感しました。私、カフェに行くのが元々好きなのですが、家から歩いて10分のカフェでもちょっとおしゃれをして、アクセサリーも着けて出かける、そんなマインドを大切にしたいと思っています。私のアクセサリーもそんな時に使ってもらえたらうれしいですね」。自身が好きなカフェには、おしゃれだな、可愛いなと思う人がいて、クリエーションの参考になるし、食器が好きな原口さんにとってはコーヒーカップも見どころの一つなのだとか。

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カフェ巡りは趣味の一つ。インテリアや食器を念入りにチェックする。

「具体的なビジョンはあまり持たないタイプなのですが、次にやりたいことがあって。夫の親戚に宇和島パールの養殖をしている人がいるのですが、その規格外品を使ってアクセサリーを作りたいと思っているんです。SDG’sを意識したわけではないのですが、廃棄されてしまうなんて辛いし、使えなさそうなものを工夫して使えるようにするのが好き。地元のものを使ったアクセサリーが作れるのもうれしいです」。パールが収穫されるのは11月ごろ。その季節に合わせて、この新作をリリースしたいと考えている。